2023 / 05 / 16 BLOG
世界の中で日本人のクオリティ
1990年頃、フォーシーズンズホテルの開業に際して、フォーシーズンズシカゴ、リッツカールシカゴ、フォーシーズンズシアトルでトレーニングを受けました。
ラグジュアリーホテルの作り方、マーケティング、人材育成、どれをとっても日本のホテルを凌駕していると思いました。
ただ一人一人のクオリティを見てみると日本人の方が優っていると感じました。アメリカ人は個人が優先で組織の中で自己犠牲を払う人はいません。日本人は組織のために自己犠牲を払うことを厭わないところがあります。組織への貢献と言うことでは圧倒的に日本人が優っています。
日本人は組織の中でマネージャーの資質に問題があります。優れている個人が組織の長になった時に自分の将来を考え自己保身に走る人が多いと思います。お客様、部下よりも上司を見るようになります。
米国にいるある著名な日本人投資家が言っていました。「日本人のアシスタントは最高だ。日本人のマネージャーは最低だ」。
ある日本のホテルのフロントで、宿泊のお客様のチェックインは午後2時からと規定されていました。海外からのお客様が成田空港からリムジンバスで昼過ぎに着かれました。ロングフライトで疲れていたようです。フロントマンに「疲れているのでチェックインさせて欲しい」と伝えたところ、フロントマンはマネージャーにそのことを伝えました。マネージャーは「周りの人にも2時になっているから2時から出ないとダメだ」と言いました。フロントマンはそれをお客様に伝えたところお客様は怒り出しました。「空いている部屋はあるはずだ。マネージャーを出せ」。マネージャーは出ずに押し問答の末、お客様はロビーのソファーで午後2時を待つことになりました。マネージャーは支配人に規則を破ったと思われて自分の評価が減点されるのを恐れたと思います。私が支配人なら逆ですが。
昨今、日本のスポーツ界、野球、サッカー、世界でトップグループになっています。私たちの時代では夢の話でした。そういうチームを見るとプレーヤーが一流であるのは当然ですが、それ以上にマネージャーの質が世界でトップであると思います。
日本のビジネス界もマネージャーの人材のレベルアップが必要です。
さらにトップマネジメントのレベルアップは喫緊の課題です。