2024 / 05 / 20 BLOG

ブログ「いきなり30億の会社のオーナー社長になったら」 理念Q:会社の中で、誰がリーダーシップをとっていますか?

社長、自分が言わないと会社が回らないと思ってはいませんか?自分が命令すれば何でもできると思っていませんか?逆に社員に経営を丸投げしていませんか? 
自分の会社がどんな状況か振り返ってみましょう。

 経営者が強すぎるとどんな弊害がありますか?

以前、私がいた会社では、こまかいこと、今日の営業の活動、今日の経理の活動、今日の工場の活動、全て当時の社長が仕切っていました。毎日の売上と粗利の報告をしないと怒られます。工場の生産予定が消極的だと生産量を上げる指示の電話を入れます。また経理には経費の予算を実績が上回らないように厳しく管理させています。会社の1から全て把握していないと嫌なのだと思います。こうなると従業員はうるさいので誤魔化すようになります。最悪なのは、架空の在庫、売上を計上して数字を誤魔化すことになります。但し、数字は良かったです。創業以来70年間、黒字の会社です。

昭和のバブルの頃、そういった事情で会社が倒産するケースが多かったです。カネボウは数字に厳し過ぎて従業員が疲弊して大規模に数字を誤魔化して倒産しました。

経営者が弱いとどんな弊害がありますか?

創業者が急に亡くなり、創業者の若い息子が急に社長になった場合などが危ないです。創業者が厳しい経営者であった場合、その逆をやろうとする傾向があります。働きやすい職場、業績が良かったら賞与を上げる、従業員の意見を尊重する、甘い経営者が誕生します。だんだん社員がつけ上がります。会社を回しているのは自分たちだと、経営者を経営者と見ない態度になります。

会社とは、売上を上げて利益を出し、社長は報酬をもらい、従業員は給料をもらう場所です。働きやすいとか、従業員の意見を尊重するとか、関係無いと思います。経営者と従業員の立場の違いを線引きして付き合う必要があります。

人柄のいい経営者は、労使間のトラブルが発生しやすい傾向があります。社員に気をつかい、社員のために尽くす社長ほど、労働者ともめるのです。

社長はリーダーシップを取れていますか?

中小企業の社長は、率先垂範が必要です。自分で売上を作り、管理します。経営者はトップセールスで仕事を取ってきます。また従業員に任せ過ぎず、自分でも管理して下さい。損益計算書、資金繰りに精通しなければなりません。銀行、お客様、パートナー、仕入れ先、株主等、会社にとって大切な人たちは自分で対応しましょう。会社の実印、通帳、オンラインネットワークは自分で管理します。30億円くらいの規模の会社であれば、会社の全てを把握することができるはずです。そして、取締役に、弁護士、税理士等を入れ、取締役会、株主総会でちゃんと会社を統治すべきです。ダメだと思った人間、危ないと思った人間は、早く排除すべきです。後でとんでも無いことになります。

会社をどう統治していくか?

私がいた前述の会社では、社長が絶対的な権力を持っていました。自分で大きな仕事を取ってくる伝説の営業マンでした。社員からは厳しい人なので疎まれていました。不祥事もありましたが、その後はやり方も変え、仕事では尊敬されていました。面倒見がよかったり、人間味があったりもするので、従業員からは親しみもありました。社長と従業員の関係は安定していたように思います。この会社は創業以来70年間、ずっと黒字の会社です。

私がコンサルしている赤字であった会社では、社長は優しく、人間味がある方なのですが、数字に疎い方でした。若い息子は良識のある厳しい方でした。私は息子を副社長へ抜擢するようにお勧めしました。社長の優しさと人間味、副社長は数字で詰めて行きます。社員に良い刺激を与え、業績が急回復し、黒字化を実現しました。この息子が社長になってからの会社はすごく楽しみです。

 社長の責任は会社を安定させ、お客様の役に立ち、従業員に給料を払い、自分も報酬をもらう、そして税金を払う、シンプルにそれだけです。

バランスが大切です。法律をまったく守らない経営者も問題だし、優しいだけ、厳しいだけの経営者も問題です。そのバランスをうまくとらないと、会社は長続きしません。優しい会社より、厳しい会社の方がうまく行っているように思えます。